p.a.(パーソナル・アデステーション)

中村理科工業から下写真のような器具が発売されています。
名前は「p.a.(パーソナル・アデステーション)まなぼっと

多分2004年ごろに発売開始と思います。その頃すでに試用させてもらっていたのですが,ホームページにまとめるのを怠っていました。今年度勤務校で購入したのを機に,少し紹介します。

定価は約3万円。パッケージを開くと,次のようなグッズが入っている。
左上から下に,「スターター・キット・マニュアル」,「はじめにこちらをお読みください」,インストール用CD。つまりパソコン必須だが,パソコンの性能はそれほど求められていない。Windows98でも動く。Windows Vistaは試していない。またマイク端子も必須。マイク端子はデータの出入り口になる。

さて,黄色いのはテニスボール2個(ふりこの実験で等時性を示すのに使用),乾電池で回る扇風機(羽根の回転数を調べられる),懐中電灯虫眼鏡などが同梱されている。

画面の解像度はXGA(1024×768)でなければなりません。
少し古いパソコンで多かったSVGA(800×600)はいけません。
またXGAより大きい解像度のものは,画面の解像度を一時的におとして使わないと,操作上不具合が生じます。
メーカーさん,これは改善して欲しいです。
「プログラム修正・追加パッチファイルのダウンロード」というページがあり,これでアップグレードすると改善されるかも知れません。

下写真の左(四角い方)が光センサーの乗っている方。右(角の丸い方)はパソコンに接続する方。


両者の接続を行うと,赤いランプが点灯する。ちなみに9Vの乾電池を使用しており,電池が消耗していると要交換。


上部の緑色に見える小さな丸い部分が光センサー。角度が変えられて便利。
パソコンにはステレオマイク端子で接続。マイク端子というのは意外かも知れないが,開発(日本ではない)された当時はUSBが普及する前であり,マイク端子は多くのパソコンに内蔵されていた。このポートを利用するというのは優れもののように思ったものだ。 
 


以下はパソコン画面のスクリーンショットです。大きいですがお許しを。

(1)蛍光灯の明るさをとらえたところ。


このようなアイコンで拡大したり,拡大を元に戻したり,2点間の時間や時間の逆数(振動数)を求めたりできる
ためしに蛍光灯の上のデータを拡大アイコンを用いて数回拡大すると次のようになる。


さらに時間間隔(黄色い+マークが2箇所ある)を調べると,自動的に蛍光灯の明るさ変化の周期など(これは家庭用交流電源の消費電力の周波数が120Hzであることと一致している)を表してくれる。これは感動的な機能だ!!!


(2)3枚羽根ミニ扇風機
付属しているミニ扇風機の羽根の前に光センサーを置き,懐中電灯で光を当てながら調べると,扇風機の回転数が分かる。
ちなみに下図の場合,3分の1だけ回転した時間差である。これをよく見ていると,3枚羽根は等角度の開きを持って取り付けられてはいないことも考察できる。


(3)テレビのリモコン
テレビのリモコンなどに使われている赤外線もカバーしていることが判明。


(4)声「あーーー」
マイク端子に接続したのをはずして,本当にマイクを接続します。ノートパソコンならマイク内蔵が多いので,そのまま行けるかも知れない。
注意:中村理科工業のホームページ内にはノートパソコンに外部マイクを接続した写真が掲載されているが,その必要はあるのだろうか疑問である。
次のように,「音」のところをクリック。それだけ。


私の声で試したところ。ちゃんと周期性が見られる。オシロスコープ代わりとして簡単に使える。


なお,ノートパソコンによってはうまくいかないこともある。そんなときはタスクトレイの「音量」のアイコンを右クリック。

そして「ボリューム コントロールを開く」をクリックし,下記を参考に,設定してみてください。
 


●もちろん印刷もできる。その際,グラフだけでなく簡単なコメントも付けられる。




●データの取り方は,下のように選択可能である。
物理の場合は短時間で高速な運動を調べたい場合が多いが,目的によって変更すればよい。


その他
 ・生物の先生からスライドを借りてきて,1枚当たりの透過率を調べ,指数関数や等比数列の学習につなげる。
 ・ギターなどの弦や実験室のおんさの振動数測定(音と光の両方で)。
 ・100円ショップで買った電動歯ブラシの振動数測定。
探究的な学習にも多く使えそう。


このwebページですべての機能を説明する必要もないだろうと思うので,これくらいにする。

手軽で便利で比較的安価な機材なので,是非とも小学校から高校までの現場で導入し,プロジェクターを使いながら演示実験を進めてみて欲しいという気持ちから,この紹介ページを書いた。

ホームページのトップへ